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10月より再度従業員の社会保険の適用拡大されます

 良く報道されているように、来月(2024年10月)から従業員の社会保険の適用が再度拡大されます。私もこの件よくわかっていなかったので今回まとめてみました。ただ、社会保険に関しては社会保険労務士さんの範疇なので、詳細は社会保険労務士さんへご確認ください。

 

 以下の図は従業員を雇用した時に必要な社会保険(広義)のまとめです。大きく分けると社会保険(狭義)と労働保険に分かれます。

 

 労働保険の2つに関しては、事業者の規模にかかわらず全事業主が加入必要です。

 

 社会保険に関しては、常時雇用する従業員数が5名以上の全事業主が加入しなければなりません。ただし、この場合の従業員の定義は正社員と正社員の3/4の時間以上勤務する従業員になります。そのため正社員の3/4未満の従業員は自分で国民年金に入るか扶養家族になる必要がありました。

 

 国としては、この不平等の改善及び社会保険料の増収のために(こちらがもちろん主目的だと思いますが(笑))、2016年より事業者の規模により、短時間労働者も厚生年金の対象者として義務づけてきました。

 今回その事業者規模が従業員者数51名以上まで減少し、これまでの中堅企業から中小企業まで範囲が拡大されたためより注目を集めているのだと思います。

 ちなみに従業員数は直近12か月のうち6か月間以上51名以上厚生年金を支払っている従業員がいるか、いないかで判断されます。

 

 以下が厚生労働省の当事項に関しての説明サイトです。

 厚生労働省の特設サイト:https://www.mhlw.go.jp/tekiyoukakudai/jigyonushi/

 

 どのくらい人件費が増えるかのシミュレーターもあります。

 

 

 個人的にはより多くの人が厚生年金に加入できれば将来の年金額や対応される障害の種類が増えるので良いと思うのですが、経営者としてはいきなり何をという感じもあると思います。

 

 ただ、どちらにしても決まってしまった事なので対応は必要です。

 

 まず、①自社がこの事業主に当たるかをチェックしましょう。現在厚生年金を支払っている従業員が51名以上なら該当します。

 ②次にその場合は対象となる従業員さんと面談し、どうしたいか確認しましょう。可能性としては、①今のままの就労時間を維持し厚生年金に入る、②今の就労時間を短縮し厚生年金に入らず扶養家族を維持する、③退職し、50名以下の事業者へ移り、今のままの就労条件を維持するがあります。残念ながら第3の選択肢を選ぶ方もいると思いますが、当制度変更のメリットを訴えてみましょう。

 ③新たに追加になる人数が決まったらその故申請が必要です。

 

 なかなか対応が難しい事項ですが、人手不足の時代ですので正社員化を進めるなど当変更を良い方向に使っていくように工夫してください!

 社会保険労務士さんとお付き合いのない方は地元の商工会議所、商工会もしくは各県の支援機関に問い合わせしてもらえれば無料で相談対応してくれると思います。

 千葉県は千葉県産業振興センターになります。