3月12日の千葉日報オンラインによると、千葉県の中小企業でも81.1%は今年賃上げを予定しているとのことです。思ったより多い数字だと思ったのですが、最低賃金がまた10月に上がりますので、最低賃金で支払いをしている事業者様は賃上げせざる得ないのでこのような数字になっているのだと思います。
以下はその千葉日報オンラインの記事になります。
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東京商工リサーチ千葉支店による2024年度の賃上げ実施予定率の調査で、千葉県内企業の81%が賃上げ予定と回答したことが分かった。賃上げ機運の浸透の一方で、中小企業の実施率は大企業と比べて約8ポイント低く、規模間格差は依然として続く。上げ幅は「3%台」とした企業が多く、連合が春闘の方針として掲げる「5%以上」で実施すると回答した企業は3割未満にとどまった。同支店は、価格転嫁の可否が影響していると分析した。
調査は2月1~8日にインターネットのアンケートで実施。有効回答4527社のうち、県内115社を抽出して分析した。
県内企業のうち、同年度の賃上げを「実施する」と答えたのは81・8%(81社)、「実施しない」は18・2%(18社)だった(無回答など除く)。産業別では、原材料高騰に対する価格転嫁が進みやすい製造業(96・2%)と建設業(87・0%)が高水準。サービス業他は80・0%、卸売業は68・8%だった。
規模別の実施率は大企業88・9%、中小企業81・1%と7・8ポイントの差がある。前年度調査の11・0ポイントからは縮まったが、二極化の傾向自体は続いている。
賃上げ率では「3%台」が39・5%、「5%台」が25・6%、「2%台」が16・3%。連合が掲げる「5%以上」の上げ幅にすると答えた企業は27・9%にとどまり、前年度から15・3ポイント低下した。大きな上げ幅を持続できる企業は少ないとみられる。
賃上げを実施する上で必要なことを聞く設問では「製品・サービス単価の値上げ」が67・0%、「受注拡大」が55・0%だった。
賃上げを実施する方法は「定期昇給」の76・3%が最多、続いて「ベースアップ(ベア)」57・9%、「賞与の増額」47・4%。体力のある大企業はベア、一方の中小企業はボーナスで対応する傾向が続く。
「実施しない」と答えた企業は「十分に価格転嫁できていない」「原材料、電気、燃料の高騰」などを理由に挙げた。
同支店の担当者は「価格転嫁の実現可否が賃上げに大きく影響している」と分析。景気回復が広く実感されるには「中小企業の適正な価格転嫁の浸透が必要」と指摘した。
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この記事だけだと単なる事実で余り参考にならないので、もう一つ3月13日のテレビ東京のワールドビジネスサテライトのニュースもご紹介させて頂きます。ちょうどこの記事の回答になるような、賃上げをするために中小企業がどのような努力をしているかが紹介されていました。テレビ番組の為、「TV出た蔵」というウェブサイトに掲載されている記事をご紹介します。https://datazoo.jp/tv/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%82%B5%E3%83%86%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88/1703479
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〇大企業に続くか… どうなる!?地方・中小企業の賃上げ
日本全体の賃上げのカギとなるのが企業の99%以上を占める中小企業の賃上げ。企業で働く人のうち約7割が中小企業の従業員となっている。特に難しいとされる地方の中小企業は賃上げを実現できるのか。全国で最も人口の少ない鳥取県。実質賃金の増減率がワースト2位でもある。物価上昇率を加味した実質賃金の増減率はマイナス6.3%。賃上げをリードする大企業がないという背景がある。厳しい中でも賃上げに成功した企業もある。電子機器や食品などのメーカーに向けた自動機をオーダーメイドで製造する鳥取メカシステムは去年4月全従業員約120人を対象に約5%の賃上げを行った。少しでも従業員の生活が楽になるようにという思いで賃上げをしたと社長は話した。賃上げを実現するために踏み切ったのが製造にかかる人件費である労務費の価格転嫁。専門性の高さを活かし2割ほど引き上げることができたという。しかし、2年連続の賃上げについては、難しいと話す。機械の原材料である鉄やアルミの仕入れ価格は4年前から1.5倍以上に高騰している。取引先に転嫁できるレベルを超えているという。
今年、地方への賃上げの波及を目的に全国の都道府県ではじめて開催されているのが賃上げをテーマにした地方版政労使会議。中小企業が多い鳥取でどうやったら賃上げができるのか、話し合った。連合鳥取が掲げる2024年春闘の賃上げ目標は6%以上。都市部との賃金格差を埋めるための目標。実現するには、企業の体質改善を地域全体で考える必要があると平井知事は指摘。地方の中小企業でも生産性の向上はできるのか。
八頭町で養鶏場から始まったひよこカンパニーは平飼いにこだわった1玉120円のたまごの販売や卵を使った洋菓子を提供する飲食店を展開している。去年春、物価高対策として、子育てや介護をする従業員に対し手当てを拡充。今年は全従業員に対し平均6%の賃上げを予定しているという。その原資となるが社員の生産性だという。ひよこカンパニーでは店舗の営業時間を短縮し、運営費をスリム化し、新メニューを開発することで集客を増やそうとしていた。また、通販事業をテコ入れ。これまで手作業だった梱包や伝票の作成などを自動化する機械を導入し、従業員の業務量を削減できるという。
賃上げの原資を従業員自ら確保しようとする企業もある。米子市にある賃貸物件を扱うウチダレック。タクシー運転手が店舗を訪れ、営業担当が運転手に手渡したのは、物件の資料とスリッパ。ウチダレックでは物件に客を案内する業務を地元のタクシー会社に委託していた。業務委託で浮いた時間を物件や顧客の開拓にあてて売上アップにつなげている。こうした工夫で去年12月、5%のベアに成功。現在、さらなる賃上げを目指して行っているのが「1000万円創出しようプロジェクト」。利益が50万円程度の事業を従業員が発案し、20件が実現する見通しで1000万円の原資を確保する見通しで来月にもさらに5%の賃上げを実現させる。
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上記にて2社紹介されていますが、ひよこカンパニーは社長が社員に対して賃上げの原資はみなんさんの生産性ですとハッキリ伝えていて、社員の中で生産性を向上させようという意識が広がっているそうです。そのために皆で新商品の開発や業務の効率化を進んでやってくれているとのことです。
また、ウチダレックではさらに進んでいて、社員に「1000万円創出しようプロジェクト」として利益が上がるプロジェクトを提案してもらい、その金額が一定額を超えたらさらに5%の賃上げをしますと宣言しているとのこと。昨年度も利益が50万円を超えるプロジェクトが20件を超えたのでこの4月に再度5%の賃上げを行うそうです。
両社とも、賃上げをするためには何が必要なんだという事を社員に正直に話し、社員を巻き込んで全社で利益を上げることを行っています。当たり前ですが、特に日本の中小企業ではできていない事ですので、一度真似してみることをお勧めします。
是非、皆さまの会社にても賃上げをするためにご参考にされてみてはどうでしょうか。