前回のブログにて千葉県の民間コロナ融資の借り換え制度が開始されたことをご紹介しました。
こちらの制度について結構お問い合わせがあり、私も既に1社様ご支援させて頂いたので、もう少し詳細をご紹介したいと思います。
以下が中小企業庁と千葉県の借換制度紹介ページなります。
中小企業庁 https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/karikae.html
千葉県 https://www.pref.chiba.lg.jp/keishi/press/2022/bansou0126.html
この制度の利用を検討されている方は以下の様に進めて行くのが良いと思います。
①自社がコロナ融資を民間金融機関から借りているか確認する。
日本政策金融公庫は民間ではありませんのでご注意ください。別途日本政策金融公庫の借換制度も開始されるとの噂は出ています。
②もし借りている場合、中小企業庁のページに制度を利用する際のスケジュールが載っているのでこれに沿って進めて行く。
(1)融資の申し込みを依頼したい金融機関へ行き、その故を伝える。
(2)自社にて経営行動計画を作成する→後ほど説明します。
(3)前回のコロナ優氏と同じく各市区町村へセーフティネットの認定を貰いに行く。
(4)金融機関と信用保証協会の審査を受ける。
(5)審査が通れば、現融資の借り換えを行う。
(6)依頼先民間金融機関と一緒に作成した経営行動計画の進行具合をチェックしていく。
まず、借り換え制度の概要をご紹介します。
制度の趣旨としては、3年前にコロナ融資を受け、3年間元本返済を据え置きにしていた事業者様が、まだコロナからの回復が十分でなく元本返済が苦しい状況において、新たに融資を受けることによりこれまでの融資の返済を行い、新たに据え置き期間を設けることにより元本返済開始の時期を遅らせるものです。
この元本返済期間が延びる間に事業を改善し、元本返済のために十分な利益を確保することを目的としています。
事業者様の状況によっては、例えばこれまでの融資が1000万円に対し1500万円借り換えで融資を受けることができる場合があります。その場合新たな資金として500万円ができますので、業績改善のための資金が増えることになります。ただしこれは全事業者が受けられるものではありませんので、金融機関とご相談下さい。
経営行動計画書について
中小企業庁のページから見本がダウンロードできます(以下)ので是非参考にしてください。
これまで事業計画を作成したことがある事業者様にとってはそんなに難しくないと思います。もしくは補助金の申請書でも同じような内容になる場合があるので、その経験も活きると思います。
内容としては以下の項目になります。
①現状認識
(1)事業概要:どんな事業をされているかを簡単に記載してください。
もし得意先に大手企業があるような場合は信用力が上がりますので記載しても良いと思います。
(2)外部環境・強み/弱み:2つの項目になります。1つ目の外部環境は現在当社が所属する業界や地域の状況を記載して下さい。
2つ目は自社の強み、弱みになります。普段から考えていなれば難しいですが、強みは何故当社の商品や
サービスを顧客が買ってくれるかの理由になります。直接お客様に聞いてみても良いと思います。
弱みは、競合に比べて劣っており、現在の状況に繋がっている項目になります。
最後に現状を改善するために行うことの中で一番効果的なことを課題の欄に記載してください。
(3)経営状況・財務状況:損益計算書、貸借対照表に現れる部分での問題点などの状況を記載し、解決のための一番効果的なことを
課題の欄に記入してください。
(4)財務分析:直近の決算書の数字をローカルベンチマークに入力して出てきた数字を記入してください。
以下のローカルベンチマークのページから2022年度版(エクセル)をダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/sangyokinyu/locaben/sheet.html
(5)将来目標:サンプルにあるように5年計画の最終年にどのような状態になりたいかを記載してください。
特に財務状況は必ず記載が必要です。
EBITADA有利子負債倍率は、金融機関からの借入金が各年の利益で何年で返済できるかになります。
計算方法は、一番下にあるように(借入金ー現預金)÷(営業利益+減価償却費)になりますので、収支計画表の
数字を元に計算できると思います。
(6)具体的なアクションプラン
(2)現状認識で挙げた課題を解決するための行動計画になります。単に何をやりますだけではなく、毎年の数値
計画を作ってチェックしていくことになりますので、数値化できる目標を考えてみてください。
(7)収益計画・返済計画
上記のアクションプラン等を行い、来期以降の売上、利益がどうなるかを記載します。
事業計画は机上の計画ですので、返済をするために売上や利益目標を高くして達成する計画も作成できます。
しかし、金融機関や信用保証協会の審査がありますので、これまでの当社の状況、業界の状況、行動計画に
合わせた現実的な計画作成が必要です。もしまだ返済を行うに十分な売上、利益が出ない計画となってしまう
場合は、単に収支計画を上方修正するだけではなく、実際の収支計画に影響する行動計画を変更する必要が
あります。バランスが大変難しいですが、経営者しかできない事です。
この経営行動計画書を作って終わりではなく、この計画通りに進めて行くことが大切です。またもしもっと良い手段が見つかれば計画の修正も必要なりますので、常に外部、内部環境を見ながら柔軟に対応することが大切になります。
業種、業界、地域により経済の回復度合いが異なりますが、この制度が必要と考える事業者様は金融機関へ早めにご相談ください。
経営行動計画書作成に関してご不明な点がありましたら、当社までお問合せ頂ければ回答させて頂きます。
また経営行動計画書作成支援もやっておりますので、依頼する事を検討されている場合も是非お問合せ下さい。