連日の補助金速報ですが、最後は先週に発表された来年度以降の事業再構築補助金の内容に関してです。
まだ公募要領が発表されていませんが、ものづくり補助金と同様補正予算の決定に合わせてこれまでよりも細かい内容が発表になりました。
以下から資料を見ることができます。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/r4_jigyo_saikoutiku_summary.pdf
(1)スケジュール
来年度に関しては3回の予定をしているようです。
ただし来年1月13日締め切りの第8回の後に第9回目として3月中でもう1回予定しているようですので、2023年度末までにあと5回はあるという事ですね。
(2)枠に関して
枠数で言うと現在の6枠から変更は無く同じ6枠になります。
①現在の「回復・再生応援枠」と「最低賃金枠」は多少補助上限等が変わりますが、大きく変わらず「物価高騰対応・回復再生応援枠」「最低賃金枠」になります。
②「通常枠」は「成長枠」となり、売上減少要件が無くなります。売上が伸びている企業はこれまで申請できなかったの良い緩和だと思いますが、その分後述する追加の要件は結構厳しそうです。
③「グリーン成長枠」は「エントリー」と「スタンダード」の2つに分かれます。
④「大規模賃金引上げ枠」と「緊急対策枠」が無くなり、新しく「産業構造転換枠」と「サプライチェーン強靭化枠」というかなり大掛かりな枠ができるようです。
以下は今回の変更点のまとめになります。
多くの中小企業様、小規模事業者様が関係してくると思われる、成長枠と最低賃金枠、物価高騰対応・回復再生応援枠、産業転換枠に関しては追加でご紹介させて頂きます。
まず成長枠です。
基本的には売上減少要件が無い通常枠という考え方で良いのですが、逆に成長する企業を支援するということで成長させるための要件が厳しくなっています。
①付加価値要件が、ものづくり補助金の年率3%の上をいく4%となっています。
②属する業種が過去10年間で10%以上成長している必要があるそうです。業界の発表は後日あるようなので、ここで不公平感がでそうですね。
③賃金総額の年平均2%の上乗せが必要です。これはものづくり補助金の1.5%を超えているため、躊躇する企業様は出てきそうです。
20名以下の企業様だと補助金上限は2000万円と変わらないため、要件の少しきついものづくり補助金という感じですね。
ものづくり補助金でもあった賃金上乗せ分は事業再構築補助金でも以下の様にあります。
ちょっと分かりづらいのですが、以下の3つであっていると思います(笑)。
①大規模賃金引上推進枠
・要件:①事業所最低賃金を毎年45円以上上昇
②従業員数を毎年1.5%以上増加
・補助金上限に3000万円を加算
②卒業推進枠
・要件:中小企業からの卒業
・補助金上限を2倍に引き上げ
③補助率引上げ
中小企業は補助率1/2が2/3になります。
要件:①給与総額を毎年年率6%以上増加
②事業所内最低賃金を毎年45円以上上昇
ものづくり補助金のブログでもお話ししたように、従業員にとっては大変良いことですが、もらえる補助金額が増えてもそれ以上に支出が増え、会社の財務状況が悪くならないという事を確認してから進めて行ってください。
現在ある2枠の改定版です。そのため売上減少要件は継続されています。
比較対象期間がこれまではコロナ前とコロナ後ですが、今後は2021年1月もしくは10月以降その前と割と最近の売上とその前の売上との比較となっています。つまりコロナが落ち着いてきてもまだ売り上げが回復していない企業が対象になりますので、補助金に掛けたくなるのは分かりますが、充分な検討をしてその上で申請して頂くのが良いと思います。
最後に新枠の「産業構造転換枠」についてです。
こちらも後日どの業種が対象になるか指定があるようですが、指定された業種はかわいそうですね(笑)。
詳細が出た時にまたご紹介していきます!