先月の末に中小企業庁から2022年版の中小企業白書と小規模事業白書が発表されました。
以下のウェブサイトからダウンロードできます。
https://www.meti.go.jp/press/2022/04/20220426003/20220426003.html
中小企業白書は724ページ、小規模事業白書は400ページあるので余り見たくないと思いますが(笑)、概要は76ページと短く、プレゼンテーション方式で書かれているため少しは見やすいので、ご興味のある方、特に支援者の方は読んでみてはどうでしょうか。
以下私が気になった事項をご紹介します。
まず、全体像です。
特に目新しいことは無いと思いますが、小規模事業者でもデジタル化、グリーン化は推奨されていることが分かります。
また、最後にご説明しますが、小規模事業者の「パワーアップ型企業」がここに出てきたので点が線で繋がりました(笑)。
以下のスライドは、持続化給付金の業種別給付率です。
このように数字で出してもらえると大変説得力がありますね。
卸・小売業や飲食・サービス業はコロナで一番被害を受けているのでやはり多いです。
ただ、建設業が一番給付率が高いのは理由が分かりませんが、多分建設業は年間売り上げが落ちていなくても月ごとの売り上げが大きく変動するので、給付可能な事業者が多かったのではと推測します。私の支援先でもコロナ前より売り上げが伸びているにも関わらず事業再構築補助金が採択された事業者がいます・・・・・ 実際30%以上売り上げが落ちて特別枠で採択された事業者さんもいるので皆が皆得をしているわけではないですが。
以下は借入金月商倍率になります。
借入金の合計が月の売り上げの何倍になるかというものですが、コロナ前に比較するとかなり高くなっている、つまり借入金が増えた、もしくは月売上が下がったということになると思います。
ここから2枚のスライドは、コロナ前から問題が大きかったことを示す良い例だと思い、紹介させて頂いています。
まず、人手不足ですが、このようにグラフで見れると分かりやすいですね。これだけ人手が足りないのですから、本来は機械化など生産性の向上を実現していれば、コロナ禍でも生産量はそんなに落ちなかったとも思えますね。
また、次の商店街のスライドでは、2009年、2012年の方が前年より来場者数が落ちていると思っている人の割合がこのコロナ禍より高いのがビックリです。コロナによる来場者減少よりももっと根深い問題があるということなのでこちらも根本的な解決策が必要ということが読み取れますね。
以下の2スライドは、小規模事業者がどのようなことを売り上げ回復のために行っているかになります。
アンゾフの成長ベクトル(製品×市場マトリックス)を使っていますが、このような資料は初めて見たので、新鮮で興味深い資料だと思います。
もちろん、既存製品を既存市場でより売ろうとすることが一番多いですが、他の項目も含めてみてみてください。
具体例は概要もしくは白書に掲載されていますので、他社がどんなことをやっているかを考える良い機会になると思います。
最後は、小規模事業者持続化補助金の話にいきなり飛びます。
以下は公募要領の25ページにある加点項目になります。
ここに、「①パワーアップ型加点」〇地域資源型、〇地域コミュニティ型とあり、これは何のかと不思議に思っていましたが、やっと分かりました。
今回政府としては、持続的成長を志向し、地域経済を支える小規模事業者を「パワーアップ型企業」として、挑戦を支援していくということの様です。そのため、自己申告でOKのようですので、もし以下の項目に当てはまると思えば加点申請してみるのが良いと思います。
ただ、その故の記載は必要ですので、注意してください。