今週は、第二の新枠、グリーン枠です。
こちらは以下の3つの要件があります。
(1)次の①又は②に該当する事業であること
①温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発
②炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善
(2)3~5年の事業計画期間内に、事業場又は全社全体での炭素生産性を年率平均1%以上増加する事業である
(3)これまで自社にて実施してきた温室効果ガス排出削減の取り組みの有無を示すこと
上記の(2)と(3)を証明するために【様式2】炭素生産性向上計画及び温室効果ガス排出削減の取組状況、に内容を記載して提出が必要になります。
まず(1)ですが、これは単に環境に良い、省エネというレベルで良いのかが分かりませんが、もし今検討している新事業のCO2排出量等が図れる(計算できる)のであれば、このグリーン枠で申請してみるのも良いと思います。
ただ、どうやって炭素生産性を測ったら良いか悩まれると思いますが、【様式2】を見ると以下の様に書いてあります。
*炭素生産性向上の算定
①付加価値額 : 千円
②CO2排出量: t/CO2
【炭素生産性】:①÷②=
次にCO2排出量の算出ですが、以下の経済産業省関連ページにて算出方法が分かります。
エクセルの計算ツールがあるので、それを使えばできるとのことです。
https://www.meti.go.jp/policy/economy/kyosoryoku_kyoka/jigyo-tekio.html
使用マニュアルもダウンロードできますので、そちらを参考にしてください。
当事務所は自宅を使用し、かつ何も生産していないので本来はCO2は排出していませんが、東京電力の電気代の30%を経費としているので、その分を計算してみたいと思います。
計算ツールを見ると「基礎排出係数 t-CO"/kWh」などと全く良く分からない言葉が出てきます。これは、計算ツールのマニュアルの中にこの指数を見つけるための環境庁が出している電力会社別の指数リストが見つかります。
https://ghg-santeikohyo.env.go.jp/calc
このページにある最新のリストをダウンロードしてみてみると電力会社別にメニューが載っています。
当事務所は東京電力エナジーパートナー㈱なのでこのリストで見るとメニューAからGまであります。以下表参照ください。
このどれに当たるかは、通常の電力契約名では分からないので電気会社に聞くしかありません。
東京電力エナジーパートナー㈱にメールにて聞いたら、メールでは教えられないので電話してくれと連絡が来ました(笑)。
そこで何とか電話番号を探して電話して聞いてみました。
流石に電話口に方に「対温法のためにCO2の排出量を計算するのでメニューを教えてください」と聞いても直ぐには返事が来ませんが、調べて頂いて「メニューG」ということが判明しました。
そのため、メニューGの0.000443を計算ツールに入力すると以下の様な結果となりました。
当事務所では、電力だけになりますので、この「383」が当事務所の年間CO2排出量になります。
この数字を以下の式に入れて、付加価値額を割れば、炭素生産性がでます。この数字を計画年ごとに出して、その炭素生産性が毎年1%以上増加すれば要件に合うということになります。
*炭素生産性向上の算定
①付加価値額 : 千円
②CO2排出量: t/CO2
【炭素生産性】:①÷②=
とりあえずこの計算をするために年間の電気使用量をリストにしたため、6月が年間使用量が最も少なく、2月が最も多いことが分かりました。それだけでもやってみて良かったと思います(笑)。
通常枠よりも最大補助額が大きいので、この枠で申請するメリットは大きいかもしれません。もし省エネ、省電力、省ガスなどの機械やシステムの導入を考えている方はこの枠での申請を検討されてみてはどうでしょうか。
ちなみに売電ではなくても発電機器は対象外の様です(P19)。