タイトル 考える術
出版社 ダイヤモンド社
著者 藤原麻里菜
価格(税別) 1,500円
中小企業経営者 ☆☆☆
中小企業診断士勉強者 必要なし
<内容>
「無駄づくり」というコンテンツを発表している著者の、アイディア発想法です。
(1)アイディアを考えるときに大切なものとして「想像力」がある。想像力をフル活用するために、「言葉」がそのきっかけを作ってくれる。言葉から考えるプロセスは、①言葉を作る、②イメージする、③思い浮かんだいイメージに「意味・役割」を加える。
その他のアイディアを考える時のポイント:①(いくつかの)単語を「合体」させる(組み合わせる)、②(普段使わない)「使い道」を考える、③「どんな?」を考える(頭に修飾語を付ける)、④「逆」を考える、⑤「ダジャレ」から考える、⑥「主語」を変える、⑦「アウトプット」の言葉を組み合わせる(例:大全、全集、ハンドブック、アプリ、AR、VR、〇選、まとめ、フェア、祭り、バザール等。
(2)世の中の商品やサービスの多くは、今ある問題を解決しようという発想から生まれている。社会的な問題など大きなことを考えずに自分の半径1メートル以内に起こっていることから認識することが必要。
身近なモヤモヤを有効活用してアイディアを生み出す時のホポイント:①「小さな問題」を意識する、②(自分の)「ストレス」から考える、③(自分の)「失敗」から考える、④「失敗」を回避するのではなく開き直る、⑤「ルール」から考える、⑥「ルール」を守る(ための仕組みを考える)、⑥「マナー」を守る、⑦「マナー」破る(モヤモヤするマナーを根底から覆す方法)、⑧「やっちゃ駄目なこと」をする。
(3)問題を解決するためには、アイディアに広がりを持たせる必要がある。柔軟に発想して、アイディアに幅を持たせるためには、ひねくれた考え方とすることが役に立つ。
視点をサクサク切り替えてアイディア生み出す時のポイント:①「視点のパターン」を考える、②(自分の強みである)「今ある知識」で解決する、③「ふざけた知識」で解決する、④無理やり解決する、⑤「五感」を刺激する、⑥「似ている物」(性質、行動等)を組み合わせる、⑦開き直る、⑧逆に「ストレス」を増やす、⑨「針」を振り切る、⑩「身近なもの」で考える。
(4)ここまでは身の回りで起きていることからアイディアを考えてきたが、ここではもう少し範囲を広げて、「みんなが知っていること(注目していること、毎年同じように行っていること)」への違和感から考えてみる。やり方としては、ストレスや違和感を言葉にして、アウトプットの言葉を付け加えると考えやすい。その時に必要な3つの視点:①問題を解決する、②違う方向を向く、③裏切る。
具体的なポイント:①「流行への感情」から考える、②「行事(イベント)」に乗っかる、④「行事」の反対を向く、④「伝統文化」をアップデートさせる、⑤「伝統文化」をさらにアップデートさせる、⑥「あるある」から考える、⑦「細部」を現実的に考える、⑧「ステレオタイプ」を使う、⑨「ステレオタイプ」を逆手に取る。
(5)独自の視点を持つためには、自分のことを深く知ることが必要だ。そして「自分のこと」から考えることにより、心の叫びを形にする。
「自分のこと」から考える時のポイント:①「好きなこと」から考える、②「欲」(やりたいけどやれないこと)から考える、③「欲」を深堀する、④「欲求」を最大化させる、⑤(マズローの5段階欲求の)「生理的欲求」/「承認欲求」から考える、⑥「めんどくさい」から考える、⑦「行動を変えずにいられる方法」を考える、⑧「7つの大罪」(カトリックの修行論の傲慢(自尊心、いばりたい→キャバクラ)、強欲(お金が欲しい→ギャンブル)、色欲、貪食、怠惰(やるべきことをしたくない→家電、家事代行サービス)-ねたみ、怒りは含まず)から考える、⑨「嫌な自分」を見つめる、⑩「ドロドロ」をかわいくする、⑪「巨大な欲望」から考える、⑫「欲望」に打ち勝つ(方法を考える)、⑬アイディアを(客観的に)「チェック」する。
(6)ここまでは自分の実感から考えることを中心にしてきたが、ここでは様々なメディアからの情報を積極的に受けることで、自分の生活とはかけ離れたアイディアにまで思考を広げていく方法を紹介する。
「情報」から考える時のポイント:①(他人や物に)「感情移入」する、②(過去の自分の)「思い出」から考える、③「ネット」から考える(「困った」「不便」などが含まれたツイートなど)、④「テレビ」(ごく一般的なレベルまで落とし込んだ情報)から考える。
(7)自分の感情の機微にこそ、自分らしさが詰まっており、何かを見て揺れ動く感情から思考を広げていくと、より自分らしい考えが生まれてくる。
その時のポイント:①感情のタネ」に気づく、②「エピソード」を思い出す(考えるべきテーマに対して、それにまつわる感情を考えていくことで思考を広げられる)、③「微妙な感情」を記憶する、④「無意識」を言葉にする、⑤「モヤモヤ」をつかまえる、⑥「怒り」の落としどころを考える、⑦「嫉妬」から考える、⑧「楽しい感情」に注目する。
(8)アイディアを出すための考え方、場所など自分なりに見つけられると強い味方になってくれる。
そのためのポイント:①「短時間」で考える、②ぼーっと考える、③「邪念」に負けまくる、④「だらだら」と「ちゃんと」を交互にする、⑤アイディアを「一覧」にする(「やる」「うーん」「やっぱやらない」印をつける)、⑥つねに「いろいろな見方」をする。
<感想>
アイディア出しの本ですが、普段頭が固くてアイディアが出ない人が頭を柔らかくするためには良いかもしれませんが、仕事に直ぐにつながるかと言えば?です。読み物としては面白いと思います。