事業再構築補助金のウェブサイトに第1回目の採択の分析結果が出ていました。
以下からご連絡頂けます。
https://jigyou-saikouchiku.jp/pdf/result/koubo_kekka_gaiyou01.pdf
経済産業省としては、補助金の申請数を増やし政府に経済の回復に貢献していますよと言いたいのか(深読み過ぎるかもしれませんが(笑))、他の補助金でも分析結果を公表することが増えてきています。
以下資料の簡単な解説です。
①申請者数と採択者数
規模別、枠別に申請者数、採択者数を公表しています。
これだと採択率が分からないので、以下のエクセルの表をご覧ください。
採択率ですが、通常枠は申請者に対して30.1%、特別枠は同55.3%となっています。
中堅企業が分かれていますが、数が少ないのであまり注目しても意味はなさそうです。
また卒業枠も通常の中小企業は対象にならないので、ここでは触れません。
先日の私のブログで特別枠は採択率5-60%のものづくり補助金レベルとお伝えしましたが、通常枠は結構厳しかったですね。
前回の不採択者の再挑戦も見込まれるため、今後は特別枠も通常枠もかなり難易度が上がりそうです。
後で出てくる応募者の申請金額から予想される採択平均金額をだしてみました。
特別枠が700万円、通常枠が3,900万円、卒業枠が9,000万円です。
通常枠は最大6,000万円ですが、中小企業なのでそこまで申請できない企業が多いかなと思いましたが、平均3,900万円は思ったより高かったですね。
これを今回の採択者数に掛けると、約2,200億円になりますので、年5回実施でちょうど1兆円と予想されている予算にぴったりになります。ですので、残りの4回も採択件数的には今回を同じぐらいと予想されます。
3回目から特別枠がなくなりますが、全体の中の割合は小さいので影響はなさそうです。
以下は、業種別の分析です。
その下にものづくり補助金の採択された業種の資料を付けてみました。圧倒的に製造業が多いですね。
事業再構築補助金では、製造業が一番多いですが、それ以外の飲食業、小売業、サービス業などコロナで業績が悪化している業種が増えていますので、補助金としては上手く機能しているようです。
以下は、都道府県別の分析です。
大都市圏の申請数が多いのは当たり前ですが、申請の応募の割合にも注目してみてください。
例えば、千葉県、埼玉県はかなり低い数字となっています。
可能性としては、中小企業者数に比べて支援者(金融機関、商工団体、士業等)が少ないのかもしれません。もしくはこれらの支援者が東京都の企業の支援をしてしまっているかもしれません。
千葉県と埼玉県は支援割合が高いと思っていたので、この数字は割とショックでした。補助金申請支援の是非もありますが、中小企業の将来の事業継続につながるのであれば私もできる限り貢献させて頂ければと思っております。
以下の資料が、枠別の採択金額を予想した時に使った資料です。
P5の資料は分け方が大雑把なので、P6の資料を使いました。応募と採択で異なりますが、そこはご勘弁ください。
通常枠で6,000万円近い申請が多かったということは、1億円以上の投資計画が結構あるということで、通常投資を避けいている日本の中小企業にとっては良い傾向だと思います。
以下最後のページになりますが、3,000万円以上は金融機関の確認が必要ということもあり、金融機関の確認が一番多く、続いて税理士、商工団体となっているようです。
当初は認定支援機関がどこまで事業計画の責任を取ったら良いのかということが議論となっており(今も回答は出ていませんが)、確認書の発行をしたくないという声を聞きましたが、実際は確認書を金融機関や商工団体も出してもらっているようで安心しました。
支援者がいる方が採択率が高くなるのはやはり申請書の質が高くなるので必然だと思いますが、一番の肝は何をやるのか、経営者の方のやる気になりますので、是非そこを忘れずに進めて行ってください。