昨日(13日)の日本経済新聞に、私の所属する埼玉県中小企業診断協会の高沢彰会長が協会員に送った手紙の記事が出ていました。以下がその記事になります。
なかなか耳が痛い内容ですが、私も最近は補助金の申請支援は商工団体様からの依頼がほとんどになっています。そうすると、その商工団体様の会員様がほとんどなので、採択後もどのように事業が進められているかがわかります。
私の場合、最低でも事業年度終了後の実績報告までは支援させて頂いているので、事業の進行具合が分かり、必要に応じてアドバイスをすることが可能になります。
中小企業診断士を含めた経営コンサルタントを雇いお金を支払うということは中小企業様にとっては負担と感じられると思いますが、単に補助金申請支援にお金を払い、終了というよりは、より将来にとって有益になると私は信じています。
なかなか中小企業診断士と知り合う機会はないと思いますが、地元の商工団体様の会員になりますと、無料で中小企業診断士から支援を受けられる制度があります。
是非、一度そのような制度を使っていただき、補助金の申請の時だけではなく、通常時でも相談できる相手を自分の右腕として抱えてみてはどうでしょうか!!
日本経済新聞 2021年5月13日
中小診断士、問われる真価
埼玉県中小企業診断協会(さいたま市)は3月下旬、会員の中小企業診断士約500人に高沢彰会長の名義で一通の文書を送った。表題は「補助金申請支援について~埼玉県中小企業診断協会の見解~」。本文には「診断士の使命は経営者と一緒に考え行動しながら経営力向上を支援することであり、補助金申請だけの依頼なら断るべきだ」との趣旨が書かれていた。
背景には新型コロナウイルス禍で経営コンサルタントの国家資格といえる診断士が引っ張りだこになっていることがある。苦境に立つ中小企業に様々な補助金が用意され、企業や商工団体などから申請書の作成に診断士が重宝されている。税理士や行政書士などにも声がかかるが、前例のないコロナ禍のなかで経営全般について助言する診断士が注目されているのだという。
頼りにされるのはいいが、「申請をうまく通してくれればそれでいい。補助金が出たら1割相当を払う」などと成功報酬方式で腕利きを確保しようとする依頼主も出てきた。診断士による申請書作成代行や応分の成功報酬を得ることは法的には問題ない。それでも「補助金申請の代行業になっていいのか」と高沢氏は憤る。申請書の柱となる事業計画は、経営者自身が考えるべきことなのに診断士に丸投げする例も目立つという。
診断士の試験は1次と2次に分かれ、ここ数年は約2万人の1次申込者に対して2次合格者は1000人前後。しかし弁護士や公認会計士などのような独占業務がなく、「難関の割にはカネを稼げない」といわれたこともあった。
事業承継や新規事業、デジタル化対応と中小企業にとって複雑な課題が増えるにつれ、「経営のトータルな知識を備える診断士の評価が高まりつつある」(信金中央金庫地域・中小企業研究所の鉢嶺実主任研究員)。その好機に、報酬につられて申請書の作文に励むだけの診断士が増えれば、カネ払いのいい企業ばかりに補助金を回すことに加担したと批判されかねない。
高沢氏の文書は、診断士の全国組織団体、中小企業診断協会(東京・中央)の会誌「企業診断ニュース」5月号にもほぼ同内容が掲載された。コロナ対応の補助金を中小企業が生かせるかは、アフターコロナをV字回復に導く上でも重要なカギを握る。各地の診断士には、補助金申請と併せて本来の経営力向上の支援を忘れずに活動してほしい。