中小企業診断士協会に入会すると毎月「企業診断ニュース」が送られてきます。
内容は中小企業診断士がその時の話題のトピックスについて書いている記事が多いのですが、今回コロナ禍・コロナ後の営業戦略についての記事が4本あり、その内3本が大変興味深かったのでご紹介させて頂きいます。
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(1)オンライン時代の新規顧客開拓
コロナにより展示会がなくなり、新規顧客開拓の機会が失われた。また得意先から訪問を断られ進行中の新規案件も延期になった。
このような状態の中で、オンラインツールを使ったことが無かった企業がどのようにオンラインで新規顧客獲得を行ったのか?
これまでは展示会などで名刺交換をした見込み客にアプローチすることから営業活動を始めていた。
これを、これまでの得意先などのネットワークを活かすアプローチ方法へ変更した。
①各得意先別にキーパーソン、担当者、仕入先、販売先など「商流の見える化シート」を作成した。
②その中で、自社の取引先の先で得意先になりそうな企業を探す。
③自社の取引先にその見込み客を紹介してもらうよう依頼する。その時にその取引先にもメリットがある仕組みを作り上げる。
④オンライン商談の提案及びアポ取り
⑤オンライン商談に対する事前準備:これまでの人間関係構築から早期段階から相手のニーズを把握して課題解決ストーリーを伝える流れへ変更。そのために、事前に担当者へ連絡して、ニーズや困りごとを探る。
⑥プレゼン資料の作成:自社の紹介よりも、相手のニーズを解決するための当社の強み及び相手の利益をアピールするように変更。
⑦これらの実績をランディングページとしてウェブサイト上で紹介、今後の展示会の展示内容にも使用する予定。
*商談・取引の基本は相手のニーズや困りごとを解決するための方法の提供であり、その基本へ戻る良いきっかけになった事例だと思います。
*記事自体は以下からダウンロードしてご覧ください。
(2)会えない時代のお客様ニーズの把握力強化
通常お客様のニーズや興味・関心事を把握するためには、以下のような手法が考えられる。
・訪問してヒアリング
・電話でヒアリング
・有価証券報告書
・ホームページ
・新聞・書籍等
このうち現在は訪問してヒアリングができなく、電話で突っ込んだ話を最初からするのは難しいため、見込み客のホームページを分析し、所属する業界の情報と合わせて、「仮説提案書」を作成するアプローチ手法を開発した。
まず、業種ごとの業界動向、主な経営課題、業務フロー十業務ごとの関連部門、良くある困りごとを整理した。またこれらを聞き出すための鉄板トーク集や、典型的な困りごとに対する当社の解決策もまとめた。
これらを元に業界別の解決策入り名刺や当社ホームページへの解決策の掲載も行った。
この準備段階に加えて、ターゲットとする企業のホームページを読み込み、現状の課題を仮説として立て、その解決策を提案書としてまとめていった。
*診断士がやっている仮説からの提案書の作り方を実践している良い例だと思います。使える情報は何でも使うという積極的な姿勢もコロナ禍を乗り切るためには必要だと思います。
営業が全て辞めてから新しく営業を採用できない状態が続いていた中でコロナ禍となった。
そこでホームページから少しでも問い合わせが来ることを希望してホームページを改良した。
①これまで多種多様な商品を作ってきたが、業種ではなく、商品アイテムを絞ってアピールする。
なぜなら、大部分のお客様は自分たちが欲しいアイテムを指定して検索していると仮説を立てためである。
②アイテム別にページを分け、各アイテムごとにランディングページを作成した。
そこにはアイテムごとの写真、詳細説明だけではなく、参考価格、目安のロット数、生産上の特徴や問題点まで記載。
可能な限りの情報を入れ込み、検索時の掲載順位を上げることに貢献。
③アイテム数を可能な限り増やし、検索される回数を増加。
④ホームページへの訪問数を増やすために、㋐ブログを週2回更新しそこからホームページへ誘導、㋑メルマガ発信によるホームページとブログの紹介、㋒月2回工場などの動画を撮影しホームページへ掲載することによりグーグルでの検索順位を向上、などを行った。
⑤KPIなどの目標を設定し、継続的にこれらの努力を行える仕組みを作った。
*訪問数の5%が問い合わせに繋がっているという素晴らしい事例です。やっていることは大変基本的なことだと思います。ただ、目標をもって継続することが如何に大切かを物語っていると思います。