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政府の中小企業数に対する方針転換と経営資源引継ぎ補助金

7月17日の日本経済新聞に、「中小企業減 容認へ転換」という記事が出ていました。

 

以下でその内容がご覧いただけますが、政府はこれまでいかに個別の中小企業の倒産、廃業を避けるかを考えていましたが、日本全体を考えて生産性が上がるのであれば多少の倒産、廃業はしょうがないとする方針へ変更されるという内容です。

 

日本の小規模事業者、中小企業はこれまで日本の成長を支え、また雇用も支えてきたので、中小企業の倒産、廃業は、日本の成長や雇用にマイナスという意見が多かったのも確かです。

 

ただ、現状を考えると、特に小規模事業者は資金的、人材的な余裕がありませんので、今回の様な自然災害(コロナ感染も含めて)が起きると、政府が支援しても支援しきれない企業が出てきます。

 

また、これまでも、規模が小さい事業者は、従業員が休みも取れずに給料も上げられないという状態を改善することが大変困難でした

もし小規模事業者や中小企業が一緒になり、規模が大きくなれば、従業員の働き方や生活にも余裕ができ、新しい事業を始められる可能性は高くなります。

 

これまで無理に単独で事業を続けてきた小規模事業者、中小企業は、他社と一緒になることや、廃業したとしても技術や従業員を他社へ引き継ぎながら継続していくという手段を検討していく時期になったのだと思います。

 

決してネガティブではなくポジティブな撤退と言えると思います。

大変な時期ですが、いろいろ感がさせられることが多く、今回はこのような記事をご紹介させて頂きました。

 

*この政府の方針転換に合わせてかどうか分かりませんが、7月13日より「経営資源引継ぎ補助金」の申請が開始されました。引き継ぎに係る手数料等を補助してくれます。

https://k-shigen.go.jp/

 

中小企業減 容認へ転換 

政府、社数維持の目標見直し 新陳代謝促し生産性向上

政府は中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。これまで掲げてきた「開業率が廃業率を上回る」との表現を近くまとめる2020年の成長戦略から削る。中小企業は新型コロナウイルス禍で経営環境の厳しさが増している。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める。

政府は成長戦略の具体策を記す「フォローアップ」という資料を毎年、策定している。デジタルやインフラなどの項目別に数値目標として成果指標(KPI)を定め、進捗を確かめている。

19年の成長戦略の中小企業政策のKPI(1)20年までに黒字企業を70万社から140万社に増やす(2)海外子会社保有率を23年までに15年比1.5倍にする――ことなどが柱だった。「開業率が廃業率を上回る状態にし、それぞれ10%台(英米レベル)になることを目指す」との記述もあった。20年版では廃業率に関する表現を削る。

政府関係者は「事実上、廃業の増加を認める方針への転換だ」と解説する。統計のある18年度までは開業率が廃業率より高かった。新型コロナの影響が長引けば20年度以降は逆転する可能性もあるとみている。

足元で倒産や廃業は増えている。東京商工リサーチによると、6月の企業倒産は前年同月比6%増の780件だった。新型コロナの感染拡大で飲食や観光関連を中心に経営環境は厳しい。20年の年間倒産件数は7年ぶりに1万件を超えるとの見通しも出ている。

自主的に経営や事業をやめる廃業や、資金に余力を残して清算手続きする解散などが20年に5万件に上るとの推計もある。中小・零細企業は新型コロナによる環境変化に対応する投資余力がなく、自主廃業を選びやすいとみられている。経営者の高齢化が進む中で、後継者がいないことも一因になっている。

政府の目標として企業数の減少を認めれば、倒産や失業の増加を助長すると受け取られかねないとの懸念もあった。ただ、新型コロナで環境が大きく変わる中で、そのままでは実態にあわなくなる可能性があり、転換を決めたとみられる。

日本生産性本部によると、18年の日本の労働生産性は経済協力開発機構(OECD)に加盟する36カ国中21位と低い。中小企業が多いことも要因の一つとされる。製造業の場合、企業の規模が大きくなるほど生産性は上がるとのデータもある。日本企業は99.7%が中小で、従業員数も68.8%を中小が占める。

 

20年の成長戦略は新しいKPIとして「(中小企業より規模の大きい)中堅企業に年400社以上が成長する」との目標も盛り込む。M&A(合併・買収)などで規模を拡大させ、社会全体の生産性を底上げする狙いがある。「1人当たり付加価値額(労働生産性)を5年で5%向上する」とも明記する。黒字企業数の目標は撤廃し、生産性を高める戦略に移行することを明確にする。