「残業ゼロの仕事術」につづく働き方改革につながる書籍です。
こちらは生産性向上、業務改善を謳っていますが、内容は大変似ていますので、どちらの方法を取ってもらっても良いと思います。
タイトル チームの生産性をあげる・
出版社 ダイヤモンド社
著者 沢渡あまね
価格(税別) 1,600円
中小企業経営者 ☆☆☆ ☆
中小企業診断士勉強者 ☆☆☆
<内容>
生産性向上のための業務改善には2つのタイプがある。
1つ目は「処理高速化型」(作業単位の所要時間を短くする)、2つ目は「プロセス見直し型」(業務全体のプロセスを俯瞰し、不要な作業を無くしたり、統合したり、順序を入れ替えたりする)である。
1つ目は即効性があるが、2つ目にも取り組まないと生産性の向上にはつながらない。
生産性は、投入したインプット(資源)に対して得られるアウトプット(成果物)の比率であり、無駄な時間や仕事を減らすだけでは一時的な効率化にしかならない。そのため、ネガティブな仕事を減らし、かつポジティブな仕事を増やすことが必要になる。
生産性を上げるためには以下のように4つのフェーズと8つのステップがある。
(1)現状把握フェーズ
ステップ① 業務を洗い出す
・業務の見える化→業務の現状をは把握して、チームで意識合わせをする。
・3つの書類を作成する:①業務一覧、②インシデント管理簿、③年間業務スケジュール表
①業務一覧
・隠れ業務をあぶりだす
・各業務をインプット(依頼元)、アウトプット(成果物、完了状態)、目的・目標、関係者、効率の5要素に分解し、問題の原因を見つける
・各業務を①強化、②効率化、③現状維持、④縮小・廃止の4つの方向性に当てはめる
・各業務の時間を測定し、今後改善時のもと指標をする
・定期手にアップデートする
②年間業務スケジュール表
・週ごとの年間スケジュール
ステップ② ムダに気づく
・ネガティブ仕事を洗い出す→「わざわざ」「いちいち」「毎度毎度」「もしも~がなかったら」
・労働時間を蝕む4つのムダな時間:①思い出す時間、②探す時間、③悩む時間
④問い合わせる時間
・切り替えのムダ:①場所、②気持ち、③環境
(2)検討フェーズ
ステップ③ 改善策を考える
・2つの改善策:①無駄をなくす、②生産性を上げる
・良いアディアを出すための「3つの出す」:①書き出す、②見だす、③ひねり出す
→①メンバーの意見を共有化、②書き出したものを眺めて、改善策の手がかり、取っ掛かりを見だす、③考える
・「面リスト」(コスト面&売上面、費用面&効果面等)で改善策の抜け漏れを減らす
ステップ④ 標準化する
・業務改善の手段:①共同化、②共有化、③対象業務の優先度調整、④外注化
⑤標準化、マニュアル化
・標準化、マニュアル化した方が良い業務:①「繰り返し性」高×「重要度」高い
「繰り返し性」低い×「重要度」高
②「発生頻度」高×「所要時間」長
③イやな仕事
④レアな仕事(忘れたころに発生する仕事)
(3)実践フェーズ
ステップ⑤ 横入りを何とかする
・横入り仕事を、チームで①可視化、②共有化して、③向き合い方を決める
・横入り=インシデント:①業務上のトラブル、②システムトラブル、③突発オーダー
④クレーム、⑤問合せ、⑥要望
①可視化
・横入り仕事=インシデントを「インシデント管理簿」に記録する
②共有化
・インシデントを「既知」「未知」、「対応方法がわかる」「わからない」の4象限に分ける
・個人の「既知」をまとめてチームの「未知」を減らしていく
・インシデント管理簿に対応方法を記入して、マニュアルを作らずとも、対応方法の共有化を行う
③向き合い方の決定
・(a)対応する、(b)断る、やらない、(c)保留にする、時がたつのを待つ、(d)効率化を検討
(e)ツール、システム、社内外の知識や過去の経験を活用
ステップ⑥ やってみる
・やりやすいところ、やる気がでるところからやってみる
・期限を決めてやってみる
(4)浸透フェーズ
ステップ⑦ 定着させる
・「わざわざ」と「自然」にかえる3つの方法:①既存の行動に取り込む、②自動化する
③見返りを与える
・「わざわざ度」と「重要度」の2軸に仕事を振り分け、「わざわざ度」高×「重要度」高の仕事を「わざわざ度」低へ移動させることを検討する
・上司から部下への報連相が大切
・対立した場合は、目的意識と改善ストーリーが大切。
・改善後の状態を相手のイメージさせる/上位概念で話す
・社内広報を上手く使う
ステップ⑧ 振り返る
・結果は数字と感覚の両方で。
・フィードバックを行う
・失敗の分析を行う
・成功事例の共有を行う
<感想>
事務職の生産性向上、働き方改革を目指す本は同じようになる傾向があります。
皆さんお好きな本に沿って業務改善を進めて頂ければいいと思います。
前回ご紹介した「残業ゼロの仕事術」と甲乙つけがたいのですが、部下とのコミュニケーションに問題がなければこの本を、部下とのコミュニケーションから改善したいと思っているリーダー(経営者から部課係長まで)でしたら「残業ゼロの仕事術」を読んでみてはいかがでしょうか。