最近は内閣の仕事も増えている小室淑恵さんの最新作。
100社で実証した「残業ゼロ」の仕事術ということで注目を浴びているので今回取り上げました。
実際私も会社勤めの時はほとんどプレイングマネージャーで夜遅くまで働いていました。そのため如何に難しいかはわかっていますが、当時に戻れればやってみたいなと。。。。
タイトル プレイングマネージャー「残業ゼロ」の仕事術
出版社 ダイヤモンド社
著者 小室淑恵
価格(税別) 1,600円
中小企業経営者 ☆☆☆ ☆
中小企業診断士勉強者 ☆☆☆
<内容>
プレイングマネージャーは頑張らず、素直にメンバーに助けを求め、メンバーを信じて仕事を任せることが大切。
プレイングマネージャーの働き方改革は以下の5つのステップ
ステップ①:マネージャー自身の時間の使い方を可視化する
ステップ②:マネジメントに軸足を置いた時間の使い方を実現する
ステップ③:メンバーとの「関係の質」を求める
ステップ④:チームの時間の使い方を可視化する
ステップ⑤:メンバーと共に生産性を上げる方策を考え、実行する
ステップ①
・8割マネジメント、2割プレイ
・ワークログ(以下の手順参照)により自分の時間の使い方を可視化、分析を継続しながら、PDCAを回す。
(1)朝メールで15分ごとにその日の時間内の終わるスケジュールを送る。
(2)夜メールで時間の見積もりと実績の差異を明確にし、良かった点と反省点を振り返り、明日やることをピックアップする。
・マネージャー、プレーヤーで大項目、小項目で仕事を分け、1か月後に集計、分析をする。
・現状把握⇒問題点の発見⇒原因の特定⇒解決策の実行
ステップ②
・働き方改革の大原則:重要な仕事を増やすために、重要でない仕事を減らす。
・仕事を①緊急かつ重要な業務、②緊急だが重要ではない業務、③緊急ではないが重要な業務、④緊急でも重要でもない業務に分ける。
・①、②はプレーヤーとしての仕事が多いのでなるべく部下に任せ、③の仕事の時間を増やす。
ステップ③
・部下に任せるためには、チームの戦力分析を行い適任者を決めるが、そのためには部下を知らなければならない。つまり部下との「関係の質」を向上させる必要がある。
・そのためには、以下のことが大切である。
(1)弱みを開示する、話しすぎない、答えを押し付けない、待つ、ポジティブフィードバックなどで心理的安全性の担保する(グーグルの研究よりー過去のブログ参照ください)
(2)個人カルテを作って部下を知る。
ステップ④
・チーム全体で働き方改革のサイクルを回すためには以下の手順で進める
(1)カエル会議の実施
・1~2週間に一度、30分~1時間程度
・第1回:チームの素晴らしい所、もったいない所を共有
第2回:仕事の本来の目的は何かを考える
第3回:チームのありたい姿を言葉にする
第4回:チームのありたい姿を言葉にする
増やしたい仕事を減らしたい仕事を明確にし、ありたい姿に入れる。
(2)チームの働き方の可視化
・チームでワークログを行うー朝メール、夜メールを送り全員で共有する
⇒優れたメンバーの働き方を学ぶ。皆のスケジュールを知る。
・項目ごとに分けて、集計、分析を行う。
・仕事を①緊急かつ重要な業務、②緊急だが重要ではない業務、③緊急ではないが重要な業務、④緊急でも重要でもない業務に分ける。
そして、各業務がどの部下に多く振られているかを確認する。
・健全なチームは③に時間を割き、不健全なチームは①、②に時間を割いている。なぜなら、①の多くは、もともと③であったはずなので。
また③に担当業務のマニュアル化がされているチームは健全性が高い。
・優先順位をつけるのと、スキルマップを作り属人化を防ぐ。
・ワークログで分割した項目を細分化(なぜを2回)して、解決策を出す。
ステップ⑤
・解決策を①難易度が高く効果が高い、②難易度が高く効果が低い、③難易度が低く効果が高い、④難易度が低く効果が低いに分け、③からスタートする。
・大まかなスケジュールを作り、小さなことから、他部署を巻き込むことへを計画する。
・アクションシートを作成して、誰が何をいつまでにするかを決める。
その他の生産性向上案
・整理整頓
・会議の掛けるコストを8分の1にする=会議資料のボリューム×1/2×参加人数×1/2×会議時間・開催頻度×1/2
・集中タイムを作って集中する。クッションタイムを作り、余裕を持つ。
・サンキューカードの作成、三人フィードバック。
・メールのテンプレート化、業務のマニュアル化。
・勉強会開催、複数担当制、曜日別ノー残業ディ、ドミノ人事。
<感想>
最近内容のまとめが長くなってきています。
このブログの書評は後で自分で読み返すためでもあるので、だんだんと細かくなってきました。
それぐらい詳細な働き方改革の方法が記載されているということだと思います。
ほとんどの中小企業の経営者の方はプレイングマネージャーだと思います。
全従業員との「関係の質」を上げるのは難しいと思いますが、できるところからやってみてはどうでしょうか。