今回は「働き方改革関連法」についてのお話しさせて頂きたいと思います。
今年の4月より以下の3つの点で「働き方改革関連法」が順次施行されます。
1.時間外労働の上限規制の導入
2.年次有給休暇の確実な取得
3.正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の禁止
働き方改革は中小企業には無理だよという声は多くの方から聞きます。
私も、年代的に24時間働いてきたタイプですので、なかなか時短等にはなじめませんでした。
ただ、やはり仕事以外に精神的、肉体的にリフレッシュする機会があると、そのあとの集中力が増したり、仕事上での新しいアイディアが浮かんだりしますので、休暇を取ることは必要、重要と思うようになりました。
ですので、今回は上記3点の中で2番目の年次有給休暇の確実な取得について、お話しさせて頂きたいと思います。
ご存知のように有給休暇は、①6か月以上継続して勤務している、②全労働日の8割以上出勤しているの2つの条件が揃うと7か月目から10日の有給休暇の取得が可能になります。
またパートさんなどの労働日数が少ない人たちも、6か月継続の勤務で有給休暇が取得できるようになります。例えば週4日勤務の人は6か月勤務で7日、3年6か月勤務で10日の有給休暇が取れます。
今回の法律のポイントは以下になります。
1.対象者は10日以上の有給休暇を取得した人。
ですので、フルタイムの勤務者は6か月以上継続したら対象になります。パートさんも上記にあるように週4日以上働く人は3年6か月継続勤務で対象者になりますので注意が必要です。
2.10日以上の有給休暇を取得した日から1年以内に5日の有給休暇を時期を指定して取得してもらわなければなりません。
最低5日ですので、取得した有給休暇日数内でもっと取ってもらうことは全く問題ありません。
3.取得の時期は従業員の方と必ず相談して決める必要があります。
できる限り希望の時期に有給取得をしてもらってくださいという事で、この有給休暇取得の目的を考えると当然とは言えますが、業務の都合もあると思いますので、必ずお互いが納得する案を見つけて下さい。
4.会社は年次有給休暇管理簿を作って3年間は保管しなければなりません。
5.業務の忙しい時期を除いて忙しくない時期に有給を取ってもらうように有給取得時期を指定する場合は、その故と対象者を就業規則に記載しなければなりません。
6.違反した場合の罰則が付きます。
例えば5日の有給休暇を取得させなかった場合は30万円以下の罰金になります。
中小企業様は人手に余裕がないのでこの法律の実行は難しい状況であると思います。
ただ他の中小企業様が従業員に有給休暇を取得させるようになるとさらに採用が困難になり、従業員も辞めていく可能性も高くなります。
単に有給休暇を取得してもらうのではなく、これを業務改善の良い機会ととらえ、業務プロセスの合理化やIT化、単能工から多能工への移行などにより生産性の向上を目指していただければと思います。
有給休暇を取得した従業員の有給休暇前後の生産性を一度調べてみてはどうでしょうか。
多分上がっていると思います。
内容に関してご不明な点があれば、以下の厚生労働省のページを見て頂くか、私までお問い合わせ下さい。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322_00001.html
以下の添付の資料でも詳細が分かります。